キングス・アルバム

『キングス・アルバム』と書いても、「?」の方が多いと思います。
戦前に販売されていた日本製の図入アルバムですから、かなり高齢の方か、郵趣史に興味がある方しか知らなくて当り前でしょう。
当時、日本製の郵趣付属品は品質が悪く、一定のレベルの収集家は輸入品を使っており、これはアルバムも同じでした。
そうした中で、メイド・イン・ジャパンとして大々的に販売されていたのが『キングス・アルバム』で、つい数年前まで代替わりを続けながら営業していた切手趣味社の製品です。

収録範囲は、全世界に及び、各国の主要切手を貼る部分が印刷され、それ以外の切手を貼付するスペースも設けられていました。
巻末に、ブランクリーフも用意されていたのが親切な設計とも言えます。
印刷は、昔の図入アルバムの標準であった両面印刷。
しかも、間紙は無いので切手同士が擦れてしまいます。

下の画像は、日本の部の2ページ目。
鳥切手以降の手彫切手と、小判切手、そして菊切手の一部が貼れるページ。
この前ページは、竜切手と桜切手になっています。

もう少し見ると、下は5ページ目で昭和切手や国立公園切手の一部が貼れます。
このように、原則的に普通も記念・特殊も同じページに入り乱れて採録です。
レイアウトなんて考慮されていません。
「とにかく貼れれば良い」そんなアルバム。

外国切手は、このような感じ。

独立国は独立したページで、中でも大国になると数ページ分もありますが、植民地などの小さな所は幾つかがまとまって、上図のような感じに編集されています。

画像は奥付ですが、昭和16年2月11日の発行。
戦中になって数年後の発行ですが、この頃はまだ多少の余裕があって、こうした物でも印刷し発行することが可能でした。
実は、僕がこのアルバムで一番資料性を高く評価したのは、奥付に見える「マル停」印。
郵趣史に言及した解説は色々とありますが、こうした事に着目したものは見たことがありませんでした。

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