画像は、北ベトナムが1966年に発行した公用切手で、描かれているのはいわゆる「農民郵便」と呼ばれているベトナム戦争に関わる郵便制度。
ベトナム戦争というのは奇妙な戦争で、明確に北と南に国と民衆が別れて戦った戦争ではありませんでした。
例えば、ある日、一般的に北側と呼ばれている解放戦線村の村民が、政府軍(サイゴン政権=南側)の補給路や作線路を断ち切るために道路を寸断する工作を行います。
道路が寸断されては南側は軍事行動に大きな支障を来すので、政府軍は村から民衆を強制動員して直させるのです。
つまり、村民にしてみれば、今朝自分たちが壊した道路を、午後には自分たちで修復するという、なんともギャグ的な事が普通に起こります。
これと同様な現象が郵便にもありました。
例えば、政府軍(南側)兵士の親戚が、北側の解放村の村民だったとします。
普通なら、手紙のやり取りができない関係だと思いますが、実はそうではなく、村民(農民)は南側の村にも北側の村にも自由に行き来できて、兵士であってもそうして敵方に普通に手紙が出せるというわけ。

この切手は「農民郵便」としかカタログには記載されていないのですが、恐らく上で紹介したシステムを題材としているものと思います。
ベトナムの8割は山岳民族の村ですが、そうした所であっても村から村に手紙が伝わり、1ヶ月もあれば配達されていたそうです。

ベトナム戦争の本質を理解する上でオススメなのが、上の画像の新書。
僕は、中学2年の夏休みに読みましたが、「目からウロコとはこのことだ」とビックリしたものです。
お読みいただけると幸いです。