エジプト・ファルーク1世

画像のリーフは、エジプトの図入りアルバムの穴埋めで、1953年発行の通常切手シリーズです。
見てのとおり、図案の顔が横棒線で消されていますが、政体が変わった時に前政権を否定するために切手上ではよく見られるパターン。

本来描かれていたのはエジプト王ファルーク1世なのですが、1952年に起こったエジプト革命により王の座を追われ退位し、息子のフアード2世に継承させたのも束の間、翌1953年には廃位されたためヨーロッパへ亡命した人物です。

このような経緯から、下のリーフの切手のようになってしまったわけです。

ファルーク1世は、多趣味で有名どころだけでも車に宝石、時計、切手、コイン、ポルノグラフィなどがあります。
このうち、最も規模が大きかったのがコインでサザビーズが、それよりも劣る切手はハーマーが、それぞれエジプトの新政権からの委託によりオークションを開催。
その売上は、新政権の運営資金に使われています。

上の画像は、ハーマー社のオークションカタログで、”The Palace Collections of Egypt” となっていますが、このタイトルは切手、コインともに共通となっています。

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