『外国切手の集め方』

多くの人が読んだと思います。
1978年ですから、44年も前の出版です。

当時、『スタンプクラブ』や『郵趣』で「もうすぐ出ますよ」的な宣伝がなされてから、まだか、まだかと首を長ーくして待ち望んだ本です。

そして、読んだ感想は「特定の国の収集ノウハウが、もう少し書かれていたら良いのに」だったのですが、今から思うと、あの構成で良かったし、魚木氏でなければ書くことが出来なかった内容だと思います。
たぶん、今の現役収集家(魚木氏も現役ですが・・・)で、こうした基本的な内容を余すことなく執筆できる人は、いないと思います。
まぁ、それだけ俯瞰的な収集家がいなくなってしまった、ということでしょう。
このような文献は、幅広い知識が無ければ書くことができませんから。

図版もなかなか選び抜かれていて、今見ても楽しいのですが、なんでもない切手が意味のないチョロ消しだったりして、あれが未使用で揃っていたら、どんなに違和感が無かったことかと。
これは、ちょっと残念。

切手以外にも、カタログ、雑誌、専門書などの写真がふんだんに取り入られており親切な編集でしたし、それにも増して、カタログコレクション的な実例から、専門的な実例までの各種リーフ写真が興味深く、参考になりました。

出版されたのは中学生時代でしたが、大学時代に “ROAD ATTLAS” の各国版を神田神保町の地図専門店に通い少しづつ揃えていったのも、本書で消印を調査する実例として紹介されていたから。
今ならネットで可能なことも、1980年代はアナログ・・・。
このロードアトラス活用法は、本書で知った収集の実際の中で一番役にたったかな。

本書は、今のような郵趣界だからこそ、読み返すと新鮮味が感じられます。

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