ネパール切手の市場規模は小さい。
もちろんネパールにも収集家はいますし、インドにはネパール切手収集家が多くいらっしゃいます。
ですが国際的な規模で見たばあい、日本のそれも小さいですが、ネパールだと日本の1/10、いや1/20以上かもしれません。
それでもここ10年ほどの間に、欧米にあった大きなコレクションが放出され、一流オークションハウスで独立したネームセールが3回ほど行われています。
それ以前はというと、1997年に売り立てられたグプタのコレクションも、合本の中の一部にしかすぎませんでした。
おそらく、ネパールのコレクションで最初に独立した一冊のカタログとしてまとめられたのは、1980年に開催された、下の画像のものではないかと思われます。
実はこのカタログ、どこを見ても誰のコレクションかは書かれていませんが、見る人が見れば、それがヘダーゴット・コレクションであることがわかります。
このコレクションは、幾つもの古くからのコレクションを統合して成長したもので、日本切手で例えるならばオズボーン、ペプロウ、ビシップ、ワシントン、ラルジェンテェ、ラフ、フェラリなどを統合して成立したウッドワード・コレクションのようなもの。
戦前の伝説的な収集家エバンス、戦後早い段階で大きなコレクションを作ったドーソン、古典的名著をコレクターズ・クラブから出版したハーバーベック。
そして、開国直後のネパールで掘り出しをしまくったブーニングなどのコレクションから成り立っています。
ヘダーゴットは、このコレクションで3個の金賞、2つの大金賞を国際展で受賞しており、このコレクションから、それまで知られていなかった多くの見解がネパール切手研究者から出され、それが今のベースになっています。