ハンガリー・不便地配達料

画像は、ハンガリーのプレスタンプカバーなのですが、これを見て一目でその素性がわかる人はいないでしょう。
切手が貼ってあれば、少なくともどこの国のマテリアルなのかはすぐにわかりますが、プレスタンプでは、それすら中々わかりません。
こんなところに、プレスタンプカバーの不人気さがあるのかも知れません。

左上には ” ROSENAU ” の差し立て印がありますが、これは現在のスロバキアの ” Rozsnyo ” のこと。
そして宛先は、右下に書いてある ” Csejte ” 。

この手紙には黒ペンで書かれた “10 ” と、赤のクレヨンで書かれた ” 11 ” の2つの数字が書かれていますが、実はこれがミソなんですね。
黒の ” 10 ” は、差し立て地の Rozsnyo 局で書き込まれた郵便料金なのですが、これが間違えで、宛地の Csejte という村には郵便局が無かったわけです。
ですから、近隣の郵便局(リサーチ不足で、どこの局かは不明)が、Csejte村 まで配達に行くわけで、そのための割増料金が赤のクレヨンの11 kreutzer なわけです。

日本では、初期の郵便料金に不便地宛の加算料金がありましたが、それと同じですね。

このカバーの使用年代ですが、手紙自体が失われているので定かではありませんが、差し立て印のタイプから1835〜58年ということがわかります。

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