「国別コレクションのすすめ」大谷博

1992年の『郵趣』に連載された、大谷博氏の「国別コレクションのすすめ」。
よく考えれば、なんと、もう30年も前の記事になるのですね。
ホントびっくりです。

大谷博氏と言えば、このブログでも何度も取り上げた『切手集め大作戦』という良書の著作者であり、またゼネラルコレクターの巨匠として著名な方。
一貫してそうした収集法であったことから、競争展とは無縁な方でもありました。

僕は、幾つかのテーマを専門コレクションで追いかけ、その成果は折りに触れて競争展に出してはいますが、根底にあるのは、大谷氏の千分の一に及ぶか及ばない程度ではありますが、細く長く続けているゼネラルコレクションだと思っています。

実際問題として、マテリアルの収集や展開、そのための作戦に頭を悩ます専門コレクションも楽しいものですが、ただ単純に単片で区別できる範囲で集めるゼネラルコレクションの方が、「遊び」としては更に楽しいと思っています。

本連載の中で、特に1回目「あなたの切手収集を長続きさせるために」、5回目「”穴埋め” 作業を通して味わう喜びと興奮」、「12回目の「コレクションには “遊び” の部分も必要です」は、ぜひ一読していただきたいもの。

おそらく、現在、こうした間口が広く、そして切手収集の奥深さを文章に表現できる方はいないと思いますし、これから現れないとは言い切りませんが、当面は無理だと思います。
表面をなぞっただけの薄っぺらい文章ではなく、経験に裏打ちされた重みというのは、ちょっとやそっとでは文章中、特に見えない行間に滲み出ては来ないのです。

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