画像は、使用済で作るスウェーデンのコレクションからの１リーフ。
お馴染、グスタフ６世から1951年発行の最初のシリーズで、タイプ１と呼ばれるグループです。
このシリーズは、窓口切手帳に評価が高く入手が難しいものが少しはありますが、それを除けば未使用、使用済ともに安価に集めることができます。
画像のリーフは、10オーレ（緑）と25オーレ（黒）の切手帳の使用済ですが、10オーレの方だけ横２列になっていて、ここがこのリーフのミソ。
ちなみに、枠線が細い線と太い線に分かれていますが、太い線で表現した側がストレートエッジになっています。
10オーレが左のグループと右のグループに分かれている理由ですが、これは版の違いによるもので、左が初版で右が再版。
最初に発行された初版の出来が悪かったので、すぐに新しい版に彫り直されたのが右の再版になります。
リーフ画像では小さくて判り難いと思いますので、拡大画像を用意しました。
こう並べて比較すると、よく判ると思います。
左の初版は彫りが浅かったので全体的に線が弱く、白っぽい印象を受けます。
それを解消するために彫り直された右の再版は、しっかりと刻線が出ているので濃い印刷。
初版は最初に発行されたものなので、切手商や収集家が未使用を大量に購入していたので市場に多く残されており、入手にはさほど難しくはありません。
ただし、初版と再版を区別して販売しているのは専門の切手商になるので、区別していない普通の切手商の在庫から入手するには、自分で特徴を判断して見極めなければなりません。
まぁ、そんな感じなので未使用は問題ありません。
ところが使用済となると、ちょっと事情が違ってきます。
そもそも、発行されて早い段階で再版に換えられてしまったので、初版は全体から見れば僅かしか使われていないのです。
使用済の中から、初版を見つけるのはホントに苦労します。
評価は最低クラスなのですが、使用済で揃えようとすると最後に行き詰まるのがこの切手。
どこの国にも、評価は低いのに探すとなると難物というのがありますが、そうした切手の１枚がこの初版です。