小型シート

昨日、小型シートの話題を書いたついでに、興味があったので「事典ではどうなのかな?」と思い、手元にあった郵趣用語事典で調べて見ました。

“All About Stamps” は、 米国で刊行された普及タイプの事典です。
そこには “Miniature sheet” として「小さな切手シートで、多くの場合は記念品シートである」と記され、”Souvenir sheet” としては「特定のイベント、あるいは目的のため発行された、1枚以上の切手で構成されている。しばしば余白が非常に大きく、そこには発行目的やイベント情報などがしなしば印刷されている。目打有りのばあいと無しのばあいがあり、切手の周囲を切り抜いて使用することもできる」という大意で、我々が言うところの「小型シート」が “Souvenir sheet” を指していることがわかります。

同じ米国で刊行された大型の郵趣事典である “International Encyclopaedic Dictionary of Philately” では、 “Miniature sheet” は、項目すらありません。
“Souvenir sheet” は「スーベニアシートは記念として発行された、郵便で有効な切手を収めた小さなシート。シートは通常非常にカラフルで、切手の周囲の余白に関連情報や装飾が施されている。シートには1枚から最大で25枚の切手が含まれている(後略)」と記し、それ以下には各国で発行された特殊な小型シートの紹介をしています。

この米国で発行された2冊の事典を見ると、米国表記では「小型シート=Souvenir sheet」であることがわかります。

次に、日本で最も一般的に使われている郵趣事典である英国・ギボンズ社の “Philatelic terms Illustrated” を見てみます。同所は、豊富な図版が特徴的な事典として知られているものです。
“Miniature sheet” 「単片、ペアやブロックまたはセットの切手で構成された小さなシート。収集家向けの記念品として発行されている。(中略)シート形式で発行された切手と刷色、額面、目打が異なるばあいがある」とし、文末には “Souvenir sheet” の」項目をも見るように記されています。
その “Souvenir sheet” では「”Miniature sheet” と同義語として時々使われることがあるが、より適切には(a)切手ではあるが、シート形式の切手が含まれていない小さなシート。(b)郵趣記念品の小さなシートではあり、郵便には使えないもの(後略)」となっており、米国よりも厳密に “Miniature sheet” と “Souvenir sheet” を使い分ける方向であることがわかりますが、(a)と(b)では、根本的に異なるものであると思われるのですが、その辺がよくわかりません。
ただ(a)の視点は重要だと思います。
シート切手と同じ系統ならば「小型シート」で、シート切手が無ければ「スーベニアシート」。
つまり「大型シート」に対する「小型シート」なわけで、対になっていなければ「小型」とは言えないですね。
この辺は、厳密に使い分けた方がいいかも知れません。

日本での理解はと言うと、まとまった切手用語事典として知られている『切手研究用語集』では、「小型シート」と「スーベニアシート」の両者が登録されていますが、ほぼ同義語とされています。

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