JAPEX・こんなの買いました(2)

こちらのマテリアルは、チラ見ではどこにでもあるグスタフ5世通常切手の1枚貼りに見えますが、実はそうではありません。
若干の知識が必要です。

この葉書の左下には、階級と氏名、そして所属部隊を書く欄があります。
これを見ただけでも、一般的な使用例ではないことがわかりますね。
貼られているのは10öre 切手が1枚ですから、国内を含むスカンジナビア域内の葉書料金です。
なにやら切手の下に長方形のハンコが見えるのですが、一部が不鮮明ですし、切手の下に隠れてしまっているので、性格がちょっとわかりません。
そして、次に着目するのが消印ですが、地名はよほど有名な町でないと覚えていないので、店頭では取りあえずそこは無視しておき、日付だけ見ます。
日付は、1940年2月23日。
この日付と階級や部隊名を書く欄がある軍事郵便っぽい葉書(正刷の軍事郵便葉書ではありません)から、「冬戦争に関係あるかな??」という感触を得て、購入しました。
もちろん、駄物の葉書の値段です。

そして家に帰り、先ずは消印の地名探しですが “Haparanda” は、スウェーデンとフィンランドの国境の町であることがわかりました。
そして、この葉書の差出人が衛生兵であることも判明。

ソ連軍がフィンランドの侵攻したのを「冬戦争」(1939年11月30日〜1940年3月13日)と呼びますが、その時にフィンランドはスウェーデンに軍の派遣を数度にわたり要請します。
ですが、ソ連とドイツという両方の板挟みに合うスウェーデンは、これを拒否します。
それを受けて、スウェーデン軍内部では義勇兵の派遣という妙案を考えつき、軍内から義勇兵を募集。
8000人をフィンランドに送り込みます。

正式なスウェーデン軍の派兵であったならば、軍事郵便は専用の葉書や切手付封筒であったのですが、冬戦争のばあいは義勇兵だったので、その制度は利用されなかったものと考えられます。
そのため、本使用例のような私製葉書の軍事葉書が作られ、配布されたのでしょう。
手紙の文面には「週に2通出すことが可能」と書かれています。

面白いものを拾うことができました。

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