切手と菊花御紋章・京都寸葉から

なにか面白い記事はないものかと、戦中の『京都寸葉』を見ていたら、昭和20年5月発行号に下記の画像の記事を発見。
タイトルは「郵便切手の菊花御紋章拝用問題」。

「皇室の紋章である菊花紋章を、切手に用いてはならん」という趣旨の指摘は、昭和22年7月に連合軍総司令部民間情報教育局宗教課からのものによることは、皆さんもよくご存知だと思います。

ですが、それよりも2年以上も前に、しかも日本人により切手に菊花紋章を使うことへの疑義が『皇室の御紋章』(桜菊書院)という単行本の中で指摘されていたのです。
著者は、佐野氏という宮内省(戦前は「庁」ではなく「省」だった)職員。

原本を読んでいないので、詳しいことはわかりませんが「切手は皇室財産ではないし、法令によって使用を定められているわけでもない。国民が何ら疑問を持たずに、単なる慣例として使われ続けているのはよろしくない。」と言うのが趣旨で、海外の事例を含めて論を展開されているようです。

こういう方がいらしたとは、大きな驚きでした。

切手と菊花御紋章・京都寸葉から」への2件のフィードバック

  1. 「京都寸葉」誌は昭和40年代後半頃に購読しておりました。誌面の半分は切手商の主に買入広告で記事も当時他に発行されていた角田市、宇和島市の両趣味誌と絡めて旅日記的な記事が多く収集界の新鮮な記事を欲していた意に合わず結局1年位で購読中止しました。主幹の武田氏は青色勅額で有名な方でしたが晩年発行の「京都寸葉」誌は全く面白みが無くなりましたね。

    1. 僕は長いことかけて『京都寸葉』を集めました。
      お陰様で85号以降はコンプリートですが、それ以前の入手は絶望的かもです。
      郵趣史の中で、社会世相を知るのに役立っています。
      昭和20年代、30年代だと各郵趣会の大会参観記が出ていたり、あと広告も面白いですね。
      そうした意味で、貴重な情報源です。

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