20代後半のある日、「記念切手の使用済カタログコレクションを作ろう」と突然に思い立って始めたのが、「マーキュリー日本切手アルバム」を使った図入りアルバムの穴埋め。
ただ、何でも良いから使用済ではつまらないので、発行後1年以内、できたら2ヶ月以内が目標なのですが、そこで問題となるのが、どのような消印の状態がベストかと。
これには色々と人それぞれの好みがあるので、中には「使用済は満月に限る」という方がいらっしゃるかも知れません。
ですが、僕のこのコレクションでは、そこまでのこだわりはありません。
やはり、コレクションに何を求めるかによって、入手すべきマテリアルの状態も変わってくるからです。
消印の優先順位として最上位に来るのは「年」で、もちろんそれに「月」が加わればそれが最高です。
「局名」はと言うと、読めるにこしたことはないという程度。
上の画像の左端は年号「22」と月「9」、そしてC欄「東京都」だけが読めますが局名はわかりません。
この切手「司法保護」の発行日は昭和22年9月13日ですから、これだけで発行月内の使用であることは十分にわかります。
ですから局名はわからなくても、僕のコレクションの目的としては「良い」切手になります。
中央は、朱色の機械印で「満月消し」と呼ばれるものですが、機械印は印影が細いので、満月でも図案に対して邪魔にはなりません。
上山田局の昭和26年9月23日の使用例で、発行後2週間の良い使用例と言えます。
右端は、消印90パーセントの掛かり具合です。
まぁ、こういうのがお好きな方がいらっしゃいますが、専門コレクションではないカタログコレクションとしては、図案よりも消印の方が目立ってしまっているので、左や中央の切手よりもグレードダウンと評価します。
昭和40年代、50年代の切手は額割れ切手として、今ではじゃんじゃん使われているので使用済も沢山あります。
この頃に郵便局で朝から並んで買われた切手は、リアルタイムで使われたものは少なく、ほとんどがシートコレクションとして死蔵されてきたことは、今さら言うこともないですが皆さんもよくご存知。
僕の実家は、平均的な家よりも多くの郵便物が配達されていましたが、当時は記念切手を貼った郵便物はホントに珍しかったと記憶しています。
例えば、上の画像の自然保護シリーズ「オガサワラオオコウモリ」は額割切手ですから、現代の消印が押されたものなど、有り難くも何ともありません。
ですが、画像の切手は局名は不明ですが昭和49年12月、つまり発行後1ヶ月前後の真の使用済。
たかが戦後記念切手の使用済収集と思われがちですが、それなりのこだわりを持って収集に臨むと、意外と手こずります。
特に、額割切手と寄付金付き切手で良いコレクションを作るには、それなりの苦労が必要だと思います。
逆に言うと、それだからこそ「細く長く楽しめる」とも言えます。
日本の櫛型印は線が太すぎて、美しいとは思えず、私は好きになれません。
スイスのように、手押し印でも線が細い国はいいですね。
画像の「オガサワラオオコウモリ」の局名は、帯広でしょうか。
おっしゃる通りで、昭和40年代中盤から50年代初頭の切手ブームのころは、シート買いして保存する人が圧倒的だったので、その当時に使用されたものは少ないのです。
例外は、郵便番号普及切手です。あれは普通切手代わりに使われてました。
額割れの面ばかり見る方が多いですが、切手発行当時の郵便料金体系下で使用されたものは
少ないのですが、どれだけの方が気づいていることやら。