画像は、ボストーク図入りアルバムに整理された西ドイツのカタログ・コレクションからの1リーフで、ミュンヘン五輪寄付金切手。
ミュンヘン五輪の寄付金切手は第7次まで発行されているのですが、これは1971年6月発行の4次のもの。
しかも、なぜか冬の競技・・・。(ミュンヘン五輪は夏季大会)
意外と忘れ去られているのですが、この切手をデザインしたのは日本人なんですよね。
杉浦康平さんというデザイナーです。
氏は切手収集家ではないのですが、ドイツに留学していた関係もあってドイツ切手のデザインをご存知であり、その特徴を「シンプルでありながら、筋が通ったデザインで見ていて素晴らしい印象を持っている」と語っています。
そうした印象を元にデザインしたのが、この切手というわけ。
当時、ようやく立ち上がり始めた数値分析データを用いたデザインだそうで、それに向くのが比較的単純な動きのウインタースポーツだったとか。
切手では、もちろんクオリティーが大切なので丸の大小で表現されていますが、氏の出力したデザインの中には漢字で出力されたデザインもあります。
各国から日本人デザイナーの切手が発行されていますが、表現としてのデザインとして最も世界にインパクトを与えたのは、この切手だと思います。
この切手のデザインの方法については『切手マンスリー』1972年2月号の18〜19ページに氏自身が解説をされているので、興味のある方はご覧ください。
かっこいい切手ですね。
名古屋の世界デザイン博の41円切手のデザインはあんななのに。このころはデザイナーとして一流だったのですね。郵趣の座談会記事にも出たことがあったかと。
ボタ・ヤマエさん
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
たしかに、おっしゃるとおり。
ミュンヘンの作品は、若くてエネルギーが満ちていた時代の作品なのでしょうね。