『Variation』

今ほど、個人にる情報発信ツールが発達していなかった1990年代は、郵趣の世界においてはミニコミ誌、同人誌が多くありました。
小は数十部発行のものから、大手となると数百部発行まで、中には創刊と思ったら即廃刊になるものもあり、おそらくその全容を把握した人は、誰一人としていなかったと思います。

1994年6月創刊の『Variation』誌は、収友を通じて榎木氏から創刊号をいただいたもの。
「見本誌をどうぞ。だから購読してね」って感じの手紙付でした。
その頃の僕は、スクリーンに熱中する現行切手収集家を、横目で宇宙人のように見ていた頃。
それでも、創刊号の内容が高倍率ルーペを必要としない、目打や定常変種など極めてオーソドックスな内容に共感が持てるものでした。

ちょうど創刊と同時期に榎木氏は、『STAMP collector』誌に「製造面追求」と題して新動植物国宝以後の切手について連載を開始。
『Variation』も「製造面追求」も、図版が多く、わかりやすい解説が特徴だったと思います。

また、当時の同人誌系に多かった使用面に偏っていなかったのもよかったですね。
これは、編集者もかなり気を使ったようで、創刊の挨拶にも「新たな視点を持った郵趣誌」と書かれています。

たしかデザイン系のお仕事をされていたと思いますが、読みやすく、オシャレな誌面構成でした。
後にオークション誌『Valua』と統合され不定期刊行になってしまいましたが、けっきょく最後はどうなったのかな?

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