ネパール・Sri Pashupatiシリーズの製版

ネパールのセカンドシリーズである “Sri Pashupati” シリーズは、これまでにも全日展やJapexで何度となく展示をしているので、ご記憶の方もいらっしゃると思います。
最初の発行は1907年で、最後の4回目の発行は1941年。
1〜3回目の印刷は、ロンドンのパーキンス・ベーコン社ですが、最後の発行は第2次世界大戦の影響を受けて、地元カトマンズのゴルカ・パトラ・プレス社での印刷に変わりました。

下の画像は、そのカトマンズ印刷の初期のシートです。
見てのとおり4×10枚の40枚構成のシートですが、ほどなくして4×9枚の36枚構成へと変わります。

下の画像は、パーキンス・ベーコン社で印刷した凹版印刷の試刷りで、10×10枚の100枚構成です。
カトマンズで印刷するにあたっては、それまでは全てロンドンにお任せだったので、切手印刷に使える資材は何一つありませんでした。
そこで考え出されたのが、試刷りを写真撮影して、それを元にカトマンズで対応可能な凸版化する方式。
ところが、ここでも問題が・・・。
当時のカトマンズには、100枚シートの大きさに対応できる写真設備がなかったのです。

そこで最後の手段となったのが、上の画像の赤枠の部分のみを撮影して40面構成とする方法です。
こうした経緯があって “Sri Pashupati” シリーズが40面構成となったわけです。

カトマンズ印刷の切手を見ると、とてもパーキンス・ベーコン社の切手が元となったとは思えない出来。
そこに、家内制手工業的なカトマンズ印刷の面白さがあります。

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