『千葉県の丸一型日付印の集め方』

昨日、永冨功氏による『千葉県の丸一型日付印の集め方』が到着。

ワンフレーム作品集なのですが、それに5ページの解説と局種リスト付。
このリストにはチェック欄の他にデータが書き込めるようになっており、しかも、それが印色別になっているというこだわり方。
「さぁ皆!この本を読んで集めてくれ」と言わんばかり。

国別(下総・上総・安房)の集め方、局名変遷、字体のバラエティ、特殊な日付印、逓送ルートなど、千葉県というローカルなフィールドを例題として楽しみ方を紹介しています。
そのような中で、僕が最も興味深く拝見したのはやっぱり逓送ルート。

千葉県は東京湾と太平洋に面しており、そして、そこに流れ込む河川も多くあります。
当然水運は舟の程度の差こそあれ江戸時代から盛んに利用され、明治になっても鉄道が開通するまでは主たる運送手段の1つとして利用されていました。
東京湾や利根川を利用した郵便逓送について、最初に本格的に着目をしたのは田辺卓躬氏でないかと思います。その成果の一端は昭和40年代前半に「関八州の郵便印」の連載の中で示されています。
本書では、舟から鉄道へという逓送ルートの変遷を実例を示しながら紹介しており、消印のみではなく地方郵便史としての面白さも合わせて伝えています。

僅か300円で、見て、読んで、こんなに楽しめる郵趣文献が他にありますでしょうか?

『千葉県の丸一型日付印の集め方』」への1件のフィードバック

  1. お褒めにあずかり、ありがとうございます。
    1フレームでは千葉県の丸一型日付印は語りきれませんが、こんな形で示すのも一法だと思います。
    ネット印刷の発展で可能になった手法です。見本とリストがあれば、誰でもチャレンジできるようになるので、腰を上げやすくなりますね。何があって何がないか、がわかれば集める目標ができるので、収集意欲につながるのでは?なんて考えました。安ければ使い倒すこともできます。
    この試みが受け入れられるのであれば、それぞれの地域の方と連携して、別の県や地方でも拡大してみたいとも思っています。(ただし、時間をかけて・・・)

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