ソ連の大形蒸気機関車

画像は、ガボンが1975年に発行したものですが、描かれているのはソ連の大形蒸気機関車。

ソ連は国土も広いし、レール幅も1520ミリと日本の在来線より453ミリも広く、車両も大形なものが色々とあります。
そんな中でも、1934年に作られたAA20形蒸気機関車は特別に大きい車両です。
もっとも大き過ぎて試作の1両だけで、実用にはなりませんでしたが・・・。

切手ではボイラー部分だけなので全体を知ることはできませんが、2軸の先輪に動輪だけでも7軸もあることが分かります。
この動輪の直径は1600ミリなのですが、見た感じでは小さく見えますね。つまり、それだけ高さが高いわけで、全高は5.7メートルもあります。

全長は33.7メートルですが、日本でよく見る動輪4軸のD51形蒸気機関車の全長は19.7メートルですから、D51がミニチュア模型のようです。

この機関車の目標の1つは、3000トンの貨物を機関車1両で牽引することにありました。
ということは、蒸気圧力も大きくなければならないのですが、それを作り出す原動力にもなる肝心の石炭が粗悪なものでした。
このため、粗悪な石炭から高エネルギーを得るためにはボイラーを大形化する必要があり、しかもソ連の線路は最大軸重20トンという制限があったことから、それをクリアするには7軸にするしか方法がなかったのです。

出来上った機関車を走らせたところ、レールに対する横圧が大きかったことから曲線やポイントでの脱線が多く、散々な運転成績でした。
極め付けは、大き過ぎて転車台に乗らない!
こんな調子のポンコツさ加減だったので、もちろん1両の試作でオシマイ。

長らく無用の長物として25年間ほど機関区の隅に追いやられていたのですが、1960年頃にやっと解体されたということです。

こんな機関車が、全く縁もゆかりもないガボンからの発行ですが、取り敢えずは嬉しい1枚。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *