画像は、赤道ギニアが1972年9月に発行した「日本の鉄道100年記念」切手5種の中からの1枚で、もちろん収集家用の「黒い切手」の1種ではあります。
描かれた題材はというと、印面内左辺に ” JAPON TIPO 7100 ” (日本風に言えば「日本 形式 7100」)と記されているので、7100形蒸気機関車を描いたつもりであることがわかります。
ここで、わざわざ「つもり」としたのは、実は描かれた機関車は7100形ではなく他の形式のものだからで、つまり間違えというわけ。
実際に切手図案として描かれたのは、リーフのタイトルでもある7150形なのです。
7150形は、1895年に北海道炭鉱鉄道手宮工場で国内で製造された2番目の機関車。
まぁ、国内生産と言っても、米国からの輸入機関車であった7100形の主要部分をコピーしたものなのですが・・・。
では、7100形と7150形をパッと見で、見分けがつくのかといえば下の切手をご覧ください。
皆さんもよくご存知の「鉄道75年」記念の小型シートで、こちらが7100形です。
異なる点は幾つかあるのですが、切手のように小さくなってしまっても一番目立つ相違点は煙突の形。
あと、キャブの形の違いもわかりやすいかな。
こんな感じで赤道ギニアの切手は、印面内の説明と描かれた機関車が違っていることがわかります。
我々、日本の鉄道切手収集家がバイブルのように使っているのが『世界鉄道切手総図鑑』。
過去に増補されたりして何冊かが出版されているのですが、現在その底本として使われている『最新世界鉄道切手総図鑑』では、切手印面の記述そのままに「7100形式2-6-0機関車(1880)」となっているのですが、正しくは「7150形式2-6-0機関車(1895)」になります。