『全日本郵趣』平成10年11月号〜12年5月号まで17回に渡った連載。
山本謹一氏と言えば、誰もが知る大収集家で特に手彫切手の収集で有名でしたが、実際は現行切手までを満遍なく収集するというスタイル。
大収集家と呼ばれる方々は、専門以外の分野についても恐ろしいほどのコレクションを築き上げているのが世の常というもの。
連載当時は、書かれている内容が超ビッグということで、けっこうな話題になりました。
執筆スタイルは、昭和17年〜平成11年までの期間を年ごとに山本氏の収集を中心に、その周辺の事情をも含めて紹介するというもの。
昭和15年から日記を書き続けているので、その中から郵趣関係を抜き出しただけあって、極めてリアルな郵趣史に仕上がっています。
普通の読み物として読んでしまう読者には、単なる日記や想い出としか受取れないかも知れませんが、実際は極めて貴重な、そしてデータとしても重要な事柄がちりばめられており、生の郵趣史として極めて重要な連載と評価できます。
これほどまでに、読み手側の郵趣史に対する基礎知識が試される解説は、他に無いでしょう。