ちょいと用があったので『郵趣』の旧号を見ていたら、こんな記事を見つけました。
村田守保氏による「5円おしどり切手の版別」。
1963年ですから昭和38年の3月号。
村田氏と言えば誰もがすぐに思い浮かべるのが、日本切手のゼネラルコレクターであり、そのコレクションの一部は『日本切手精集』で公開されています。
氏の得意とする分野は、手彫や田沢、黎明期の初飛行カバーなど、ついついクラシック系と思ってしまいがちですが、料金改正日にはせっせと各種カバーを作製するなど、現行切手にも熱心だったことも、また有名な話し。
ですが、昭和38年という早い時期(実際の調査は前年の昭和37年)からグラビアスクリーンに着目し、自宅へ来た郵便物を材料にして調査していたことには驚きでした。
そこで、ふと思って調べたのですが、1961年(昭和36年)の第11回全日本切手展に「網目方向によるオシドリ切手実用版分類」という作品が出品され、佳作賞を受けていたことがわかりました。
恐らく村田氏は、全日展会場でこの作品を見てヒントを得たものと思います。
グラビアスクリーンの違いを分類に利用するという考えは、いつ、どのようなことから始まったのか興味があるところです。