フランスの初期切手と言えば、セレスとナポレオンですが、特にセレスは一番切手であったことから、「集めている」「いない」に関わらず、郵趣家の間ではよく知られた存在でしょう。
下のカバーは、そのフランス一番切手の使用例で、Brest 局1850年5月27日の証示印が押されているので、発行翌年の使用であることがわかります。

切手発行直前のフランスの郵便取扱量は、1844年に1億1100万通、1846年には1億2000万通を数えましたが、その4分の1は料金半額の地方郵便。
そこで、考え出されたのが全国一律料金で、これが切手発行に繋がります。
1848年8月のことでした。
料金設定は7.5グラムまで20サンチーム、15グラムまでが40サンチーム、そして100グラムまでが1フラン。
切手の使用開始は1849年1月1日と決まっていたので、準備期間は約4ヶ月しか無かったのですが、図案も印刷会社もまるっきり未定。
そこで、イギリスで切手印刷を行っていたパーキンス・ベーコン社に製造を依頼したのですが、断られてしまいました。
その結果として、パリの国立造幣局と彫刻家ジャック・ジャン・バレ、そしてその息子のアルベール・デジレ・バレが製造を請け負うことになったわけです。
日本では、この経緯が紹介されることがないため、セレスは最初から国立造幣局で製造する算段になっていたものと思われがちですが、事実は異なり、パーキンス・ベーコン社に断られた結果、そのようになってしまったのです。