昨日、郵趣誌『いずみ』の最新号の話しをしました。
『いずみ』→ いずみ切手研究会 → 北上健氏と連想するのは、僕の年代以上だと思います。
なにしろ子供の頃から、いずみ切手研究会と北上健氏はセットで有名でしたからね。
北上健と言うのはペンネームで、本名は八幡正二郎ですが、郵趣界で「八幡正二郎」と言っても「それ、誰?」と必ずなるほど、郵趣界での本名的な名前として北上健という名は歴史的に定着しています。
ある意味、ここまでペンネームが定着した人も珍しいと思いますね。
例えば、水原明窗だって本名が落合光だと言うのは、皆さんご存知ですから。
その北上氏は、本業が放送作家であっただけに文を書くのはお手のもので、切手収集の単行本を8冊も書かれています。
氏の書かれた本は、さすが放送作家であっただけに硬くなく、読みやすいのが特徴だと思います。
中でも『郵便100年日本の切手』は、子供向けに書かれた本ですが、高度な内容でありながら平易に書かれており、いま読んでも新鮮です。

本書は「郵便100年」(100年は1971年)と謳いながらも、刊行は3年後の1974年でした。
まぁ、シリーズ名が「100年シリーズ」なので、採録範囲を100年で区切ればそれで理屈は立ちます。
僕は、正確な記憶ではないのですが、おそらく刊行後間もなく買ったのではないかと。
実は、この本。
いま見直すと、とても素晴らしい内容なのですが、当時は一通り読んでハイ、オシマイ。
子供だったので、どうしてもハウツー本(集め方本)に興味がいってしまい、日本切手と郵便システムの100年史を記した本書に、そこまで興味が持てなかったのです。
後年、今井修氏が『日本切手100年小史』という好著を出されますが、本書はそれをもっと易しく、小学校3、4年生レベルでも理解できる内容にしたもので、漢字には全てフリガナが振られています。
もし「北上健さんの本でオススメの1冊は?」
と聞かれたならば、迷わず本書を推薦します。