複雑な現代史を持つイエメンなので、イエメンと名乗る切手の発行体が幾つもあります。
画像の切手は、その中で最もいかがわしいイエメン王制派のものですが、浮世絵切手や70年大阪万博切手などで意外と日本人には馴染が深いですね。
70年代の切手少年なら、王制派の切手を何枚かは持っていたと思います。
画像は、その王制派が1968年に発行した、切手収集をテーマとした10種セットからの1枚です。
あまり扱いたくはない切手なのですが、題材が面白いのでご紹介です。
切手収集をテーマとした切手は、世界中でそれなりの種類が発行されていますが、多くはアルバムを見ている収集家だとか、ルーペ、ピンセットなどの付属品を描いています。
ところが下の切手は、カタログをズラリと並べているところが面白いですね。
わかりやすいように、右側の図でカタログ名を入れてあります。
『スコット』『ミンカス』はアメリカ。
『ギボンズ』はイギリス。
『イベール』はフランス。
『ミッヘル』はドイツ。
これらは、世界カタログです。
そして残りの『ツームシュタイン』はヨーロッパカタログ。
この中で、図案の中の文字から特定できるのは『スコット』と『ツームシュタイン』だけですが、よく見ると他のカタログは装丁から特定ができます。
いかがわしい切手でも、ここまで凝った図案だと欲しくなるのは、切手収集家の性と言えましょうか。
イエメンなんて国は大阪万博で初めて知りました。地図で場所を調べたりして近辺の国と共に知識の一つとして覚えました。切手収集も地理とかの勉学に役立ちましたね。手元に有るイエメン発行の大阪万博切手の小型シートを改めて見直して見ましたところ、消印の日付が24.10.68となっています。開催国日本の切手は70年3月発行ですので何と開幕1年半も前に発行されている事になります。さすが土侯国商魂逞しいものです。当時、各パビリオンでお小遣いの範囲内で買える切手は色々と買い求めました。待ち時間の長いパビリオンは朝一に並び後は専ら小パビリオンばかり回っていました。懐かしい思い出です。さて、来年は55年振りの大阪万博が開催されます。M様は行かれますか。
イエメンは過去に関心のあった地域の一つで、北イエメンの一番切手が味があって好きです。オスマントルコ時代に北イエメンで使われた消印のカタログと、アデンのカタログは随分昔には持っていましたが、北イエメンの一番切手はお高く、収集するまでには至りませんでした。