“THE WORLD OF CLASSIC STAMPS 1840-1870”

本書の著者 James A. Mackay(以下、マッカイ) 氏については、郵趣界では世界的な著名人なので、多くの方がご存知だと思います。
氏の著作は数多くありますが、僕が最も気に入っているのが本書。

内容は書名が示すように、世界中のクラシック切手(1840〜1870年)を解説したもの。
最初の切手発行国であるイギリスには一章をまるまる当てて詳しく、次いで1840年代の発行国、1850年代の発行国と続き、ここまではちょっと詳しく書かれ、それ以後の発行国については簡単に済まされています。
「簡単に」とは言っても、各項目について知っておくべき最低の知識を得ることができるくらいなので、一言、二言という意味ではありません。
あくまで、それ以前の項目に対してとの相対的な意味においてです。
こうした編集は、扱う切手発行国の多さや切手の種類、それに対するページ割の制約から仕方がないものと思われますが、逆に考えると厖大な項目に対してサクッと知ることができるので、事典的な使い方をするのも便利かと。
本書で大要を掴み、それ以上の詳しいことについては個別の文献にあたるという使い方です。

本書は、白黒図版のみではなく、カラー図版も多く、しかも個々の切手が大きく採録されているので、図版を見ているだけでも楽しめます。

マッカイは、大英博物館の郵便部門を担当していただけに、本書は豊富な経験と情報に基づいて書かれており、安心して、また平易に読める解説書だと思います。

刊行は1972年、総ページ数334ページを数えます。

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