なんと、本ブログ20年の歴史の中で最長のタイトルになってしまいましたが、このタイトルが下の画像資料のタイトルなのです。
資料の出所は『汽車汽船旅行案内』明治31年10月号で、早い話が時刻表。
僕は、仕事に必要なので明治時代からの時刻表を揃えているのですが、この時刻表がけっこう郵趣関係資料としても、色々と使えるのです。
つまり歴代の時刻表は、僕にとって飯を食うネタでもあり、趣味にも使える一冊で二度美味しいものというわけ。
表の欄は上から線路名、受持局、結束便名、締切時間、差立時刻、汽車汽船出発時刻、汽車汽船到着時刻、到着時刻、結束便名となります。
つまり、これで何が解るのかというと、消印上に現れた便名が、どの路線の何便の列車に乗せられ、到着局には何時に着き、何便の扱いで受領されたかということで、カバーの流れを郵便線路という線全体で把握することが可能なのです。
ただし、この表は東京発のみにしか対応していないので、そうした意味では面白さもよくて半減、あるいはそれ以下ではあります。
画像は全体からの一部分なのですが、西方面行きを見ると東京・神戸間には四号便までの本便と、東京・横浜間八号便までの補助便が設定されていることがわかりますし、それに対応する便名および取扱時刻もわかります。
鉄道郵便の話しついでですが、昨年ですが切手展である作品を見て気がついたことがあります。
それは、鉄道を利用した路線中継についてです。
例で示すと、
A駅からAB線の郵便車に乗せられた郵便物がB駅に着きます。
その郵便物はC駅まで逓送されるので、B駅でBC線の列車に乗せ換えることになります。
問題は、この中継駅であるB駅での取り扱いなのです。
その作品の出品者は、おそらく時刻表だけを見て数分で接続する第○列車に乗せ換えられてC駅へ向かったとしていました。
ところが、ここが間違い。
第○列車には郵便車が連結されていないのです。
郵便車が連結されているのは、その1本後の第△列車。
列車の接続は、基本的に人の乗換えのみが考慮されますから、時刻表上では接続する列車でも郵便物は別なのです。
これは、時刻表だけしか見ていないと間違える好例でもあります。
じゃあ、何を見て確認すればよいのでしょうか?
列車編成表というのがあり、それを見るのが一番。
ところが列車編成表が、すぐにでも揃うかというとそれは無理。
一般に販売されているものもありますが、それは極めて限られた列車なので、郵趣的にはほとんど役にはたちません。
『鉄道公報』や昔の鉄道ファンが残してくれた編成記録など、あらゆる情報源を探して拾うしかないのです。
先日も、昭和21年に刊行された鉄道雑誌を見ていたら、戦前の列車編成が記録されている記事に出会いました。
最近と言っても10年以上は経ちますが、たった一つの事実から十の物語まで語ってしまう郵便史に出会うことがあります。
「そうするな」とは言いませんが、資料解釈や資料操作は十分過ぎるくらい慎重に扱ったうえで公表してもらいたいと思うのです。