震災郵趣展の会場で、割引価格で購入。
正価の1980円は微妙な値段で、最近の出版事情を考えると一般書としては売り難いと思いますが、割引価格なら「買い」だと思います。その辺のサジ加減が難しいところですね。
これは、あくまで「一般人に売るには」というスタンスの話しなので、そこに収録された数々の貴重なマテリアルを考えれば、郵趣家としては正価でも「買い」です。
それだけ、郵趣的には面白い内容です。
私が特に気になったのは、
16ページ、帝国ホテルの宿泊者がオランダ宛に差出した9月5日消印の絵葉書。
オランダ語の文面がなんて書いてあるのか気になるところで、これは歴史的に素晴らしいマテリアルだと思います。
34ページ下の三越呉服店焼跡の絵葉書。
本ブログ8月27日の「関東大震災と切手コレクション」で紹介した、柴田常吉氏のコレクションが全焼した所になります。
70ページ下の絵葉書。
郵趣家ならば見逃せない、印刷局が全焼した様子がわかる全景の俯瞰写真です。
82ページ、東宮仮御所宛の消毒郵便。
朱色の「消毒済」印が押されており、これまでに見た記憶がありません。
このマテリアル、実は鉄道関係としても魅力的なのですが、その理由は本を買ってご覧ください。
さて、本書に興味を持たれた方や読まれた方に、ぜひ読んでいただきたいのが下の書籍。
二代目「郵趣手帖の収集日記」2008年8月19日(15年も前の記事)に紹介した『正午二分前』。
https://blog.goo.ne.jp/stamp2000/e/8500c377d758622cdf863a8197bb0cb3
副題の「外国人記者の見た関東大震災」が示すように、外国人記者の冷静な目で時を記録した好著。
当時の様子を知る基本文献の一つとして読まれることを、お勧めいたします。