東京鉄道馬車

画像は、昭和46年10月6日発行の国際文通週間「東京鉄道馬車」。
日本切手の中でも、こうした鉄道に関するものは日本切手のアルバム用と、鉄道切手のアルバム用の2枚が必要になってきます。
当然、レイアウトも異なれば、書込みも違います。
今回、お見せするのは、鉄道切手用のリーフ。

鉄道馬車と言えば、銀座の煉瓦街を走る鉄道馬車が文明開化の象徴の一つでもありました。
切手の題材となった東京馬車鉄道は明治13年の設立で、最初の開業は明治15年の新橋・日本橋間。
その後、日本橋・上野・浅草・日本橋間の環状線を作っています。
今で言うところの、都市交通の先駆けと思っていただければよいですね。

ところで、21世紀の現在になっても、この東京馬車鉄道のDNAが生きているのです。

東京の大手私鉄の京王。
この京王(井の頭線は除く)のレール幅(軌間)は、1372ミリ。
当然ながら、そのまま直通運転している都営新宿線も同じです。
実は、この1372ミリという軌間はかなり特殊な軌間で、京王と都営新宿線、それと東急世田谷線、都電荒川線のみ。
JRの在来線や多くの私鉄は1067ミリですし、新幹線や京成、京浜急行、阪急、阪神、京阪・近鉄などの私鉄は1435ミリを採用しています。

この特殊な1372ミリの出所は、実は東京馬車鉄道なのです。
今の京王線を見ていると全く想像はできませんが、京王線は元々は路線の一部が軌道(道路上に敷設した鉄道)法による敷設でした。
以前は、新宿駅南口から甲州街道を初台方面に向かう道路上に京王電車が走っており、開通当初は京王電気軌道と名乗っていました。
この軌道というところがミソで、その系譜は東京馬車鉄道に繋がるもの。

次回、京王線や都営新宿線に乗られる時に、ぜひ軌間をご覧ください。
その特殊なレール幅のルーツは、文明開化の馬車鉄道にあるのです。

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