再三、刊行が延期されていた本書が届いたのが昨年末。
運が悪いことに、仕事が立て込んでいて目を通すことが出来なかったのですが、ようやくボチボチと見始めています。
コレクションについては、過去に切手展で何回も展示されているので、皆さんもよくご存知のことと思います。
本書については、配本直後から我々の外国切手グループ内のメーリングリストでも話題に。
もちろん、コレクションの内容や組み立て方が話題の中心なのですが、変わり種として「予約者名簿」なんてところまで。
「予約者名簿」と言っても個々人のお名前ではなく、予約者総数ですね。
数えてみると、法人も含めて103名。
中には、名前を記されるのが嫌いな方もいらっしゃるので、プラスαで数名でしょうか。
こうした専門書、おまけに高価となれば部数が少ないのはわかるのですが、この数を「少ない」と見るか「多いと」見るか。
メーリングリストでは「たったこれだけ」という感じが大勢を占めていたと思いますが、僕はその逆で「こんなに多く」と捉えました。
たしかに出版元さんの当初の目標よりは少ないのですが、今の郵趣界の状況からすると、内容と価格のトータルで考えると「多い」と思います。
某出版の方との話しでは、某協会のバックがあっても内容(書名は敢えて控えますが)によっては、100部を切ることもあるそうで、千円札数枚で買える文献でも専門的な内容では数百冊には遠く及ばないとか。
1970年代から90年代の郵趣や郵趣文献花盛りの頃に比べれば、今回の『手彫切手』は信じ難いほどの少部数ではありますが、硬い郵趣文献が苦戦している現在の状況下では、103冊というのは「意外と検討しているな」と僕は思えるのです。