ネパール・商品見本

ネパールのセカンドシリーズを最後に切手展に出したのは、2015年のJapex。
その時には素性不明なマテリアルとして外し、その前の2012年の全日展作品に入れていたのが下のカバー。
その時は素性には触れず、苦し紛れに消印だけのテキストで対応していました。

貼られているのは、1941年カトマンズ印刷の2pisa 切手が5枚で 10paisa 料金です。
封書の通常料金なら4paisa、8Paisa で、書留なら最低でも24paisa なのですから、いったい10paisa という中途半端さはなんなのさ??
という感じでした。

ネパールの古い郵便システムについては、大要は収集家の長い調査研究の成果から知られていましたが、詳細については不明な部分が多く、国際ネパール切手研究会の会員でも皆さん苦労していたのが実情でした。
ところが、2010年代に入り1936年にネパール郵政が発行した『郵便の利用の仕方』という冊子が知られるようになり(現存1冊)、郵便の種類ごとの細かな差出し方法や、郵便局の種類、扱い品目や買い方など、今まで知られていなかった事柄を知ることができるようになりました。

そうした中で見つけたのが、「本および商品見本」の取扱方法で、本カバーの10 paisa 料金もこれにピッタリ。
商品見本は、重量5 tora までが6 paisaで、それ以上の重量便は5tora ごとに4 paisa。
つまり、本カバーは重量5〜10 tora の商品見本だったわけで、取扱方法は書留に準じるそうなのでワックスで5ヶ所を封じていることも、その取扱基準に合致しています。

もともと、この料金のカバーを目にすることは少なく、次回の出品作品では大威張りでリーフに貼ることができます。
ただし、見てわかる人はいないでしょうねぇ・・・。

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