ネパール初期切手の印面の潰れ

画像は、ネパール初期切手から2 anna。
全く違う切手に見えますが同じもの。
しかも、同じ色のはずに印刷したけど、仕上がったらこんなになってしまいました。
もちろん、印刷年代は違います。
左の切手は1881年のホントの最初期切手で、右は1930年の最末期の印刷。

この初期切手は、1個の原版に粘土を押し付け、それに金属を流し込んで個々のクラッチ版を作っています。
シートは8×8の64枚構成なので、クラッチ版を64個用意して、それを並べて実用版を作ります。

1回印刷して次の印刷をする時は、当然版面の掃除をするわけですが、その時に時々クラッチ版を逆位に置いてしまい、結果的にテートペッシュが現れたり、末期にはクラッチの幾つかが脱落しても、そのまま印刷されたりしています。
それを Setting として分類しています。

画像の2 anna のばあい Setting 1〜31まであるわけですが、Setting 1は1881年、Setting 31 は1930年ですから、その間49年でほぼ半世紀になります。
この半世紀の間中、驚くべきことに同じクラッチ版を使い続けているわけで、こんな切手は他には無いと思います。

画像右の印面の潰れには、こうした意味があるのです。

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