日本切手で紙と言ったら小判切手だと思いますが、フランス切手だと、たぶん種まき切手じゃないでしょうか。
とは言ったものの、フランス切手にそこまで精通しているわけではないので、あくまで「たぶん」ですが・・・。
種まきシリーズには、A紙、B紙、C紙、X紙、D紙、E紙、GC紙の7種が基本用紙としてあり、この他にもGC紙の細分や、極めて限定的に使用された紙もあります。
この基本7種の中で、最も目立つのがGC紙。
恐らくフランス切手を集めていない方でも、切手展で見たり、どこかで聞いたりしたことがあると思います。
下の画像の耳紙に大きく「GC」とありますが、種まき切手ではペアやブロック(多くが未使用)で、この耳紙を入れるのが流儀みたいなものですが、もちろん無くても立派なコレクションは作れます。
GCと言うのは “Grande Consommation” の略で、訳すと「消費財」を意味するらしいのですが、なんだかよくわかりませんね。
まぁ、難しいことは考えないで「GC紙」とだけ覚えておけば大丈夫。
この用紙が生まれた背景には、第1次世界大戦の影響を受けた物資欠乏がありますので、そうしたことから考えると「粗紙」なのでしょう。
1916年末に登場し、1920年まで使われています。
GC紙の特徴は、藁状の繊維質を混入した紙であること。
下の画像が、そのアップなのですが、植物性の繊維がけっこう混じっているのがわかりますかね?
目打のケバ立ちも、他の用紙と比較すると顕著だと思います。
上の画像の一部を更に大きくすると・・・。
どうでしょ?
いま流行のアニキサスみたいな細長いのが見えますね。
このGC紙。
由来が由来だけに強度が脆弱であったことから、ルーレット(コイル)には使われませんでした。
種まきのカタログコレクションでも、この用紙だけを抜いて、その他の紙と区別するだけでも一味違ったカタログコレクションになると思います。