フランス切手には、ほとんど目打のバラエティが無いのは皆さんもよくご存知だと思います。
種まきも、長期間(日本切手で言えば菊〜第1次昭和)発行されたにも関わらず、目打は14×13.5の1種類しかありません。
そのかわりと言ってはなんですが、色調と紙のバラエティは沢山あります。
それをどこまで突っ込むのかという問題は、人それぞれの考え方や収集方針によって決まります。
例えば、安価に楽しむなら使用済に限りますし、その使用済でも多くの図入りアルバムが採用している1種1枚の基本的なカタログコレクションで止めておくのか、同じカタログコレクションでも、目立つバラエティを取入れた一歩進んだものにするのか。
下の画像は、線描き種まきの中では最も多量に使用された15サンチーム。
印面のタイプ別のほかに、色で8種、紙で5種に分れます。
まぁ、専門コレクションでは無い限り、そこまで集めなくてもよさそうですが、初歩的な分類で留めるばあいでも、GC紙だけはきちんと分けた方がよいでしょう。
GC紙というのは、第1次世界大戦に伴う物資の欠乏によって誕生した粗紙で、シート耳紙の上下に “GC” と入れられているところから、他の紙質バラエティとは一線を画する存在であると言えます。
使用されたのは、1916年11月から1920年3月。
上の画像はA紙と呼ばれるもので、上質な用紙。
対して下の画像はGC紙で、薄茶色のちょっと繊維質で、目打の毛羽立ちもよく見られます。
いかにも粗紙って感じがします。
このGC紙。
存在するのはシート切手と切手帳。
コイル切手(ルーレットと言います)には、紙質が脆かったので使われていません。