桜和紙30銭短器×MLL

1986年に開催された AMERIPEX’86 で Robert A. Siegel Auction Galleries が開催した日本手彫切手のオークションは、素晴らしいシートの数々が特徴的な売立てでした。
その中で、特に手彫切手収集家をアッと驚かせた、超貴重なシートが画像のもの。
手彫切手の知識がちょっとでもあれば、本文タイトルと下の画像から、なにゆえに超貴重なシートかお分かりになると思います。

このシート、実は1964年に金井スタンプが主催したビュルス・セール・日本の部に含まれていたもので、当時のカタログにもカラー写真(ロット227)で紹介されています。
ところが、その頃の手彫切手収集は消印とカバーが収集の中心であったので、これらにはとんでもない高値がつきましたが、この超貴重なシートに目を向ける収集家はいなかったのです。

結果、このシートは海外の収集家の手に渡り、その後はプツリと行方不明に。
その後、国内で調査研究が進んだ結果として、このシートの重要性が認識されたのですが、時は既に遅し。
さて、どこに行ったのやら・・・。

その後、23年間も行方不明だったのが “THE ISLEHAM COLLECTION OF CLASSIC JAPAN” と題する特別オークションに忽然と現れたのです。
このオークション、当時の日本では特にアナウンスがあったわけでもないので、手彫切手収集家でも一部の熱心な方しかご存知なかったと思います。

私は、 AMERIPEX’86 を参観していたので、現地でオークション開催を知りSiegelのブースで直接カタログを入手した経緯があります。

このシート、今回は無事に日本に里帰りすることができましたが、落札値があまりに高額だったため残念ながら切断されてしまう運命となりました。
その切断された姿が、国内のトップクラスのコレクションで見ることができるので、皆さんもどこかでご覧になったことがあることと思います。

最早、このカタログとビュルスのカタログでしか、貴重な姿を見ることができないのが残念ではあります。

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