ちょっと気になった記事があったので、昨日に続いて縦書丸一印。
画像は田口徹氏による「たてがき丸一型消印」で、昭和36年8月発行の『郵話』50号に掲載のもの。
田口氏と言えば、郵便史、特に消印の調査・研究をされていた先学。
それだけあって、他には誰も見向きもしなかった縦書丸一印の分類に、昭和36年という早い段階で手をつけるとはさすが。
氏は「非郵便消印として一般的には敬遠されてきたものである。しかし、注意してみるとなかなか変化に富んでおり、かえりみずにほっておくのには惜しい感じがする」と述べ、15種に分類しています。
日付部、局名・局種部の各々文字列の表記方法に着目する方針は、その後に続く調査・研究の基礎と言えるもの。
もちろん、この段階は縦書丸一印研究の黎明期であることから3ページ半ばかりの予察的な内容ではありますが、本稿は研究史的に重要な一文であると言えます。