画像は、戦後のスウェーデンを代表する通常切手シリーズであるグスタフⅥ世。
このシリーズは、発行時期によってタイプ Ⅰ〜Ⅲのグループに分れ、それは印面のちょっとした差異で分類します。
画像の10オーレは、最初のグループであるタイプ Ⅰ。
1951年6月6日に発行された最初のグループには、10、15、20、25、30オーレがあるのですが、画像の10オーレは他の額面には無い面白さがあります。
この10オーレ、最初の原版彫刻をした時に彫りが浅すぎて、印刷したら印面全体が薄くてボヤッとした仕上がりになってしまいました。
そこで急遽、新たに彫り直され再度の印刷となったのですが、今度は無事に他の額面と同等のしっかりとした仕上がりの印刷になりました。
ですから、この10オーレだけは初回印刷と2回目以降の印刷の2種に分類できるというわけ。
リーフ画像を見ると、上の未使用ペアと下のカバーに貼付された田型では、カバーの切手の方が色調が薄く見えると思います。
これが初期印刷で、探してもなかなかカバーの状態では見つけ難いもの。
こうしたものは、スウェーデン国内のよほどの専門店で無い限り分類はしていませんから、自分で拾うしかありません。
蛇足ながら、この10オーレが4枚で40オーレの料金は外国宛平面路便料金です。
消印は、ストックホルム1952年12月14日で東ドイツ宛。