“HOW TO ARRANGE AND WRITE-UP A STAMP COLLECTION”

イギリス・ギボンズ社の STAMP COLLECTING SERIES の1冊。

日本で、近年アルバム作りの文献と言えば競争展を意識したものが1冊だけ出ているのみで、一般向けのものとなると皆無と言えます。
アルバム作りというのは、理論半分、テクニック半分だと思っていますが、そのテクニックも理論あってのものなので、やはり最も重要なのは理論だと思います。
理論、すなわち設計思想と言い換えることも可能かと。

本書は、書名にもあるようにアルバム作りの中でも、特にアレンジと書き込みに重点を置いた技術書で、ホントの初歩者に向けて書かれたもの。
それでありながら、アルバム作りに手慣れた方が読んでも得るところは大きいと思います。

1990年の出版なので、書き込みは手書き。
ですが、これは現代に通じるところも多く、英文の各種書体を解説し、その書体の特徴から見せ方、使い分け方などを細かく紹介しています。
今では、書き込みにはパソコンを使いますが、そのパソコンにはMacでもWindowsでも豊富なフォントが用意されていますから、それをどのように利用すれば良いのかを教えてくれます。

アレンジにしても、カタログコレクション的なものから、専門コレクション、ステーショナリーなど、そのアレンジを決めて行くプロセスが示されています。

本書のようなアルバム作りの文献が、ここ20年ほどの雑誌記事も含めて国内には見当たらないことが、なんとも残念でなりません。
収集家は、いきなり競争展への出品を目指すわけではなく、日々の積み重ねの上に競争展が存在するわけですから、普段のリーフ作りをどのように進めたら良いのか、その方法を理論とともに示すことが極めて重要なことと思います。

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