今年の1冊

今年も、多くの郵趣文献が刊行されました。
もちろん、その全てを入手しているわけではありませんが、入手した中から興味深かった、印象に残った1冊がこれ。

古くからの収集家はご記憶のことと思いますが、29年前に東京で開催されたPhila Nippon’91 に河野さんは出品されています。

手元に残る出品目録には、河野作品は必ず見るべき作品として事前にチェックした印が残っています。
小判切手の錚錚たる(雲の上の)収集家が並ぶ中で、比較的新しくお名前を拝見した方ということで、直接的に参考になる作品としてチェックしていたのです。

当時の出品目録を見れば「小判切手 1876〜92」という5フレーム(80リーフ)作品で、旧小判〜新小判までを含んだ、小判切手全般のゼネラルコレクション。
この時の作品は、旧小判40リーフ、U小判24リーフ、新小判16リーフでしたから、恐らく、この時点では旧小判は40リーフが展開の限界だったのだと思います。

それが、今では旧小判のみで8フレーム(128リーフ)。

すごいですね。
この凄さは、初期の作品を見ていないとわからないかも知れません。

贅沢を言わせていただければ、できたら作品解説は河野氏ご自身の方が良かったですね。
マテリアル1点1点のドラマや情熱。
時とともに変化したであろう、収集の方向性や展開性の変化など。
そうしたものも含めて、河野作品の経過を読んでみたいものです。

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