画像は、スウェーデンで1920年から発行が始まった通常切手シリーズで「王冠と郵便ラッパ」。
このシリーズ、図案は良い感じだと思うのですが、北欧切手収集家以外の間では、知名度が今一つだと思います。
シリーズ全体では19種にもなるのですが、中額〜高額面の切手なのが人気が無い理由かも知れません。
下の画像の35エーレは、このシリーズでは最低額面になります。
発行目的は、書状基本料金20エーレ+書留料金15エーレというわけで、基本書状の書留便に1枚貼るためのもの。
このシリーズの原版彫刻者は3人なので、幾つかの額面には2人が彫刻した額面があり、この35エーレもその一つです。
最初の発行は1922年9月21日で、この時はカナダ人のブールランドが彫刻を行いました。
そして、1925年2月21日に発行された新版の方はウィルッケの彫刻です。
2人による彫刻ということは、印面のどこかに違いが現れているわけで、それがタイプ1と2として、古くから分類されています。
先ず、見やすいのは印面右上コーナーの「T」の右脇(赤矢印)で、下の画像を見ればお解りいただけると思います。
白い縦線状の空白があるのがタイプ1で、タイプ2の方は格子の彫刻が入っています。
それと、もう1ヶ所は左下コーナーの「R」。
赤矢印の画線が丸味をおびているのがタイプ1で、直線的なのがタイプ2。
タイプ1がブールランド。
タイプ2がウィルッケ。
どちらが多くて、どちらが少ないということはないのですが、あえて言うならばタイプ2の方が極めて微妙に少ないかも。程度の話しです。