旧韓国を扱った売り立てとしては、金井スタンプが開催した1979年4月のコレイヴォ・パート3に続く大きなセールだったと思いますし、旧韓国のみで独立した売り立てとしては最初のものだと思います。
豊富な写真版にリストされた全452ロット。
カラー図版4ページという、当時としては破格の編集。
そして、巻末には陳キホン氏による、旧韓国の切手と消印の解説が掲載されるという力のこもったカタログです。
僕にとってこの売り立ては、長い間、その濃い内容であるにも関わらず、素性のわからない未知の売り立てとして不思議な存在だったのです。
カタログを取り出して見るたびに、なんか、こうモヤモヤする感じが常に付いて回っていたとでも言いましょうか。
それが最近になって(と言っても昨年末のことですが・・・)『最近の情報』190号に掲載の長谷川純氏による「サンフランシスコの想い出」8で、数十年ぶりにスカッと謎が解けたのです。
なにしろ、当事者による回顧録です。
「霧が晴れた」とは、正にこのような状態を言うのだと思います。
このカタログ、他の著名ネームセールカタログとともに、書架の中で定位置に鎮座しています。
決して段ボール箱の中で眠らないカタログとして。