サージュと種まきの間

セレスやナポレオンに始まり、サージュ、種まき、パスツール、マリアンヌ、リベルテなど、フランスの通常切手は有名どころがズラリ。
特に外国切手を集めていない方でも、これらがどんな図案の切手なのかは、よくご存知だと思います。

特に種まきは、20世紀前半の世界の駄物切手の一つとして、パケットからもよく出てきたものです。
また、種まきよりも古いタイプ・サージュも切手収集家の間では有名で、以前は郵趣雑誌などでも解説や集め方がよく取り上げられたシリーズ。

このサージュと種まきという二大巨頭の間に、ひっそりと挟まれたシリーズがあるのですが、こちらはフランス切手収集家以外には、ほとんど知られていません。

下の2枚の左はタイプ・ブランで、右がタイプ・厶ーション。
ブランは低額、ムーションは中額面切手に割り振られています。

そして、もう1種。
横長の堂々とした下の切手は、タイプ・メルソンで高額切手です。

これらは、ともにタイプ・サージュからの変更として1900年に発行されたのですが、結局はこの変更が仇となって、次の種まきへ切り替えとなってしまいました。

その種まきへの変更理由ですが、中額面のムーションの図案が「よろしくない」と不評だったためと、解説書などには記されています。

フランス切手のカタログコレクションを作っていると、確かにセレス、ナポレオン、サージュ、種まきは良い図案でシリーズとしてもまとまりがあります。
そんな良い切手がズラズラとアルバムを賑わすのに、サージュと種まきの間だけガクッとくるんですね。
特にムーションの芸の無さが浮き出ちゃって・・・。
しかも、低額、中額、高額で全く違う図案ですから、他のシリーズと比べると全くまとまりがありません。

そこでいつも思うのですが、ブランだけでシリーズを構成した方が、よほどマシではなかったかと。
サージュと種まきの間には、ひっそりとこんなシリーズがあったのです。
たったの3年間だけですが。

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