ウッドワードの大著『大日本及全属国の郵便切手』。
今でも、日本切手を集めるには基本文献ですね。
もちろん、今となっては間違いも散見されますが、本書を底本にしてデータの追加や修正を行えば、現役本として使えます。
僕は、1972年の翻訳版に細かい字で昔から色々と書き込んでいるのですが、若い頃に書き込んだ字が細かすぎて、今となっては拡大鏡が無いと自分で書いた字が読めないという有様。
あの頃はねぇ、まさか老眼なんて考えもしませんでしたからねぇ。
0.3ミリの製図用シャーペンで、ビッシリと書いちゃってあるんですよ・・・。
画像は、クリスティーズ・ロブソンローが1991年に開催した、郵趣文献専門コレクションの売立カタログ。
表紙の1冊には『大日本及全属国の郵便切手』が採用されています。
もちろん本文の図版にもしっかりと掲載されており、参考値は1500ポンドですから当時のレートで36万円ほど。
僕は、確か2000ポンドで入れたと記憶しています。
まぁ、ハッキリ言って全く自信のない入札値だったのですが、蓋を開けたら3080ポンドの落札。
当時のレートで74万円程ですが、本書のその頃の相場としては高すぎず、安すぎずだったと思います。
その後、機会があるたびに本書の入手に努めてはいたのですが、なんと言っても実弾不足。
相手がマシンガンで撃って来るのに、こっちはせいぜい6連発の短銃で応戦しているようなもの。
当時、カナダの業者で年に1回ですが膨大な量(毎回2000ロット程)の郵趣文献を扱うオークションハウスがあって、秋になると毎年カタログを送ってきました。
そこでも何度も敗退が続くのですが、2000年のセールでなんと参考値と同じ2500ドルで落札。
当時のレートは100円ちょっとの時代だったので、かなりお安いお買い物。
しかも送られて来たのは、それまでに見た物の中で最高のコンディションでした。
重すぎるので、普段は本箱の中で眠りについているのですが、ときどきエッチラオッチラ出してきて風にあてています。
あと数年で本書が世に出て100年になりますが、その年には、どこかでウッドワードを記念する試みがあっても良いのではないでしょうか。
その切り口は、色々と考えられますね。