昨日届いた、2023年最後の郵趣関係郵便物がこれ。
昨年のジャペックス金銀賞受賞作品集です。
昨年のジャペックスで気になっていた作品に、このようにして再会できることは嬉しいことで、有り難うございました。
小判切手の楽しみ方の一つに消印収集があることは、誰も異論を挟む余地はないと思いますが、本書はその楽しみに特化したコレクション。
ときどき国内印だけとか、外郵印だけとかの小判切手の消印収集を見る時がありますが、小判切手の消印を収集するからには、国内印・外郵印の両者が揃ってはじめて小判切手時代の消印が語れるわけで、そうした意味からも本コレクションは安心して味わうことができる収集だと思います。
なにしろ、128リーフに目一杯、U小判切手の消印が単片満月印とカバーでギッシリと詰っているのですから。
ズラリと並んだ単片満月印は、著者の収集へのこだわりの現れであると理解しているのですが、消印収集という視点で見たばあいには損をしている部分もあるように思います。
とは言ってもコレクションへのこだわりは人それぞれなので、自分の楽しみとしての単片満月収集を決して否定しているわけではないことを、最初に明記しておきます。
小判切手のばあい、多くのばあいで消印が単片内に綺麗に収まるのは無理という現実があり、そのため多くの消印が一部欠けてしまうことになります。
例えば二重丸印ならリングの一部が欠けてしまいますし、外郵印の二重丸形MEIJI印では絶望的に欠けてしまうわけで、特に後者の消印に見られるようにデータの一部が見えない状態では、消印収集のマテリアルとしては難があることになってしまいます。
消印収集の長い歴史が有る欧米では状態に厳しく、我々日本人が言うところの「満月」は、リングの切れもない全ての印影が綺麗に押されている状態のことで、このばあい恐ろしく評価も上がります。
その反対に、データの一部が入っていないとなると、絶望的に望ましくないマテリアルとして消印収集には不向きであり、このようなばあいはブロックなどの塊で100パーセント消印が見える形での収集になるのです。
そのほか消印の押された位置も重要な要素で、真正面が最上の評価で、傾きが大きくなるほど望ましくない消印となってしまいます。
明けましておめでとうございます。
さて満月印の件ですが、おっしゃる通り、データーの一部欠けている物、印影の極端に傾いている物、逆向等は、私もなるべく入れないようにしております。ただ、滅多にお目にかからない消印につきましては、この先いつ入手できるか分からないので、ある程度の線で妥協しておりますが、他の方も狙い目は同じなのか、結構な出費を要してしまうのが悩みの種です。また、消印の種類によりましては、三日月印とかローラー印はそもそも単片では無理なので、ペア、田型、ブロックとなりますが、あまり多用したくないのでアレンジ面での使用範囲が限定され、難しい一面もあります。
それでは、本年もよろしくお願いします。
いつも、ありがとうございます。
今年も、よろしくお願いいたします。
消印で、特にご当地物がからんでくると、大変な値段になってしまいますね。
30年ほど前ですが手彫切手で良いものがあったので、普通では考えられない入札値で入れたら、落とせたもののギリギリの落札値でした。
後から聞いた話では、高値になった理由が押された消印だったとか。
消印物は、時に信じ難いほど熱狂的な方がいらっしゃいますから、火傷に注意ですね。
明けましておめでとうございます。
いつも拝見させていただいています。
記事とは関係なくアレですが・・・・
JAREX2023の折、北欧部会のブースで見て頂いた第一次大戦中に
クラクフから差し出され、コペンハーゲンの赤十字宛てたカバー
(コペンハーゲンの宛先の隣にロシアの地名等が書かれた)ですが、
最近詳しいか方からカバーの中にカードか何か入っていて、
その中身だけがロシアに何らかの方法で届けれた可能性がある旨、
教えて頂きました。
今年も、よろしくお願いいたします。
ほー、そういうことだったのですか。
気にはなっていたので、解決してよかったです。
今から20年だか30年前、ジャペックス に二重丸日付印なるものを出品したとき、この満月についてジレンマがありました。
琉球のDKとして、那覇はカバーで展示できましたが、首里、読谷村についてはカバーは無理なんで展示を迷いましたが、自慢の意味で短片を展示しました。
千島の二重丸も一緒。短片で何局か持っていたのですが、カバーはいかんせん持ってない。
天野さんに減点だよと言われたのをよく覚えています。
M さん
いつも、ありがとうございます。
郵便印収集のばあい、マテリアルに何を語らせたいかによって、カバーや満月消しの使い分けが必要かと思います。
全てがカバーである必要はなく、カバーと満月印の切手が混在していてOKなのです。
この辺が郵便史とは異なる点でしょう。
ただ、状態として満月印ならリング部まで含めて100パーセントの印影で押されているのが、理想で最も評価もあがります。
日本人は単片満月が好きな割には、状態に関する考えがかなり甘いと感じます。
その辺の責任はカタログにあって、日本のカタログで状態によって評価を示したものがありません。
JPSで『日本普通切手専門カタログ 郵便史・郵便印編』というのがありますが、とてもじゃないけど『郵便印編』と標榜するレベルではありません。
あのカタログは、外国の専門カタログを見たことが無い人達が作っているのだと思います。
先ずは、状態に関する啓蒙活動が必要かと。