第1次昭和・乃木2銭の早期(?)使用例

第1次昭和切手2銭が発行されたのは、昭和12年5月10日。
この日付は、どのカタログにも書かれていますが、全国的に見ると出回り始めたのはずっと遅かったようです。
実際に窓口で5月10日に発売していたのは、東京、横浜、名古屋、大阪、博多、長崎、仙台で、札幌は山下精一氏が窓口で請求してやっと出してくれたと、後に語っています。

通常切手の場合は、先行して発売されている切手がなくなりしだい発売となるので、窓口としては風景2銭切手を売りきるのが手順というもの。
その結果、乃木2銭切手が出回るのが遅くなったことは、多くの先学が指摘しているところです。
さすがに、横浜は早く5月中から外国郵便を中心に使用していることがわかっていますが、一般的に言われるのは夏の暑中見舞いシーズン以後の使用が増えるということ。

そこで、下のリーフは札幌局での使用例。
見やすいように、拡大画像も入れておきます。

データは、札幌12年8月3日の午前8ー12時。
標語は薄くて見難いですが「国民こぞつてラヂオ体操」。
この標語印は同年8月1日からの使用なので、時期的にもピタリと一致しています。

この8月3日の使用例をどう考えるかなのですが、昭和切手収集家であるならば、もっと早い日付を追いかけるべきだと思います。
ですが、私のように外国切手が主で、日本切手は常識程度にしか収集していない者にとっては、十分な使用例ではないかと。
「5月発行で、8月なんて全然早くないしダメダメ」と思われた、そこのア・ナ・タ。
6月、7月の使用例を探してはいかが?
初期使用のプレミアム無しで、けっこう苦労すると思いますよ。

ところでこのマテリアル、300円也でお買い上げ。
以前に住んでいた地元郵趣会での、盆回しの入手品。
その時は、誰も札を入れていませんでしたから、たぶん乃木2銭の駄物としか思われていなかったのでしょう。

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