著名な郵趣雑誌には、それぞれ特徴があります。
例えば『フィラテリスト』は、硬派な解説と論文が魅力であり、研究誌としての面白さは今でも断トツですし、また『スタンプレーダー』は、硬軟取り混ぜた記事と内容の深さの絶妙なバランスが素晴らしく、今でも暇な時にはバックナンバーを読み返しています。
そして『Stamp Collector』(初期の頃は『スタンプコレクター』)。
日本切手の解説記事は面白く、単行本や研究誌では味わえない各執筆者の惜しみない蘊蓄が魅力的でしたし、最大の特徴は各切手展の入賞リーフが毎号掲載されていたこと。
これは、1976年の創刊当時からのスタイルでした。
本誌は、2007年に終刊するまで370号を数えますから、その間にいったいどれだけの作品が紹介されたのでしょうね。まぁ、自分で数えればいいことなのですが・・・。
創刊号は大石氏がご自分で全日展に出品された昭和切手の作品でした。また、初期の頃はトピカル作品が紹介されたこともありましたが、ほぼ一貫して日本とその関連領域の作品を掲載。
しかも、出品者自身の解説も掲載されているので、門外漢にとっては「へー、なるほど、なるほど」という感じで、ある意味、会場で見るよりも勉強になっていましたね。
もちろん、良い作品もあれば、そうでない作品もあるわけですが、全体を含めて郵趣雑誌の中で毎号リーフが見れるというのは、『Stamp Collector』ならではの大きな特徴でした。
気付いてみれば、2007年の廃刊から14年が経ちましたが、本誌も僕にとっては忘れられない重要な郵趣誌の一つとなっています。