なんとはなしに「50年前のスタンプクラブってどんなだったかな?」と思い、書庫から1974年のファイルを引っ張り出して来ました。
12月号の巻頭特集は「注目 ローラー印」と題して、著名な生物学者で現行消印の大家だった水野虎杖さんによる、現行ローラー印の面白さ、収集方法などの解説。
ご存知のように彫刻ローラー印は、バラエティが多く、はまるとなかなか面白いテーマではあるのですが、それが一般化したのは、同じ年の10月の『フィラテリスト』に「日本のローラー印」が発表されてからで、『スタンプクラブ』の記事も『フィラテリスト』の記事を受け、ジュニア向けに現行印の部分のみをやさしく解説したものでした。
なぜ、今日、このようなことを書いているのかと言うと、いま記したことが『スタンプクラブ』の本質だったことを、改めて感じたからにほかなりません。
実は同誌のメイン読者はジュニア層でしたが、一部には大人も食い込んでいたのです。
それはなぜか?
当時の『スタンプクラブ』の編集方針は、「専門家による高度な内容を、やさしく」だったと思います。
これは、他の連載記事などを見てもわかります。
『スタンプクラブ』が、安易な「ジュニア向け=薄っぺらい編集」ではなく、「専門家による高度な内容を、やさしく」であったこと。
これが、まさしく『スタンプクラブ』の真髄であったことを、たまたま50年前をキーワードに引っ張り出してきた同誌12月号で再確認したしだいです。