ネパール・セッティングとポジショニング

画像は、ネパールのファーストシリーズの中から、 “Telegraphic Period” と呼ばれる後期印刷のもので、額面は2アンナ。
“Telegraphic Period” と言うのは、ネパールで電信が始まった時に、その料金払いに対応するために、ファーストシリーズの原版を使って印刷したものを指します。
各種世界切手カタログで示されている評価は、この電信使用のものなので、本来の郵便に用いられた使用済評価は、カタログで示されている評価よりも遥かに高いもので、これはネパール切手収集家の間では、世界共通の認識になっています。

リーフに貼られた横8枚ストリップは、見た時に「なにか変だぞ」と思ったので、取りあえず入手したもの。
どこを変に思ったのかと言うと、印面の横列の不揃いが際立っていたことです。
他の額面でも、クラッチ版の並べ加減で多少のガタガタは見られるのですが、ここまでズレているのは記憶にありませんでした。

よく見ると、左から3枚目が逆位になっています。
下の切り抜き拡大画像の右の切手がそれ。

その左隣は正位ですから、つまりポジション18は正位で、ポジション19が逆位であることがわかりました。
こうした並びで、画像のような横ストリップが取れるのは、セッティング16〜24であることがわかりますが、その中で、シート写真が存在する19・20・22〜24のセッテイングは、リーフに示したような乱れた並び方はしていません。

とすると、このストリップはシート構成が不明な16〜18・21の4面のセッテイングのどれかに該当するはず。
21は、恐らく上記のシートと同じでしょうから、16〜18の3回のセッテイングの可能性が高いと考えられます。
と言うことで、なかなか面白いストリップではあるのですが、セッテイングの特定まで進めないのは、ちょっと痛いところです。

以下は、話しがちょっと変わります。
先日ヤフオクで、このファーストシリーズが単片で出ていましたが、紙と目打、印面の状態でつじつまが合わないものでした。
以前にも指摘しましたが、都内の某切手商がやはり感心しないネパール初期を、立派を通り越したような価格でヤフオクに出品していました。
長いこと再出品が続いていましたが、あれはどうなったのかな?
ebayでもネパール初期は、感心しないものが洪水のように出品されているので、購入に際しては十分にご注意ください。

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