Stanley Gibbons Imperial Album

伝統的なギボンズのアルバムも、郵趣環境の近年の流れの影響を受けて、気がつけばラインナップの整理・統合が進んでいるようです。
以前にあった “New Imperial Album” という図入りアルバムも廃版になったらしく、カタログに出ていないようです。
実物は「伝統的」という言葉がピッタリなほど、クラシックな編集で、装丁もごつい本のようでした。
もちろん、お値段もビックリするほど高かったと記憶しています。

で、下の画像は手元にある “Imperial Album” の5版で、1885年刊行のもの。
1885年と言えば明治18年ですから、今から140年前で、日本では新小判切手の1、2、5銭(いわゆるU小判)切手の時代。

天、小口、地を金で装丁処理をしており、金具の留金付きという、我々が使うような実用本位な安物のアルバムとは大きく異なります。
大きさは、縦25センチ、横21センチですから、だいぶ小形。

序は、ギボンズ本人が5版の編集内容について触れており、5版から2分冊にしたことや、新たに収録した国や地域について触れています。
第1巻には、ヨーロッパとアジア諸国が収録されており、それ以外が第2巻に収録されています。

下の画像は、日本の2ページ目。
1ページ目は龍切手と初期の桜切手、2ページ目は残りの桜切手と小判切手が貼れるようになっています。
そして、3ページ目は郵便帯紙。

編集は、左ページに各切手の解説が掲載され、それと対になるように右ページが切手を貼付する、本来のアルバムページになっています。
この編集方針は、21世紀の版にまで踏襲され続けました。

上の画像は、1890年の “Gibbons Stamps Monthly” 創刊号に掲載された本アルバムの紹介兼広告。
この時代には、既に現在のスタイルの基本が定着していたことがわかります。

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