画像は、ドイツが1935年に発行した「ドイツ鉄道100年記念」切手4種セットの中からの1枚で、描かれているのはディーゼルカーである「フリーゲンダー・ハンブルガー」。
最高速度160キロ、ベルリン〜ハンブルグ間(283キロ)を無停車で2時間18分で結んだ、高速列車です。

最近になって、三井高陽氏がこの「フリーゲンダー・ハンブルガー」について、面白いことを書き残していることを知りました。
氏は、この切手の解説の一部として1959年に次のように書かれています。
「私がフリーゲンデハンブルガーに乗った経験からまさに飛ぶハンブルガーであることは車内の速度計でわかったが、その割合に動揺を感じられなかった」。
氏が「まさに飛ぶハンブルガー」と書かれたのは、その列車名である「フリーゲンダー・ハンブルガー」の日本語訳「空飛ぶハンブルグ人」を指したものです。
なにしろ、日本最速の特急「つばめ」の平均速度が65.5キロの時代ですから、まさに「飛ぶ」感覚だったのでしょう。
三井高陽氏が「フリーゲンダー・ハンブルガー」に乗車されたのは、1933〜35年にかけて独逸三井物産へ出向された時であったと思われます。
短い文章ではありますが、車内に速度計が設置されていたこと、高速で走るのに揺れが少ないことなど、今となっては貴重な感想だと思います。
僕は、この三井氏の感想意外に、同列車に乗った日本人の話を聞いたことがありません。