あれから40年・・・

この話題、失念していたのですが1ヶ月遅れとなってしまいました。
『スタンプマガジン』改題『スタンプクラブ』が見かけ上の廃刊になったのは、1985年3月号。
そして、その翌月に初代と同じ誌名の『スタンプマガジン』として、大幅にイメージチェンジして再登場です。
ここで「見かけ上の廃刊」と書いたのは、『スタンプマガジン』の通巻号数は『スタンプクラブ』の号数を踏襲しているからで、3月発行の『スタンプクラブ』は149号、4月発行の『スタンプマガジンは』150号となっています。
ですが、ご存知のとおり実際の内容は大きく異なります。

数字的には知りませんが、創刊号から買い続けた自分の体感として『スタンプクラブ』の末期は、かなり発行部数を落としていたものと思います。
一般書店での扱いを見ても1980年前後の頃と比べると、入荷量がかなり減っていたと記憶しています。

『スタンプクラブ』衰退の原因は色々とあげられるのだと思いますが、一読者としては単純に「つまらなくなった」が、ありました。
僕のような創刊号からの読者としてのイメージは、「『スタンプクラブ』=高度な内容を易しく」だったと思います。
例えば一例をあげると、1977年8月号掲載の「注目 消印の新分野」は、水野古條氏による機械唐草印についての解説でしたが、唐草印研究の最先端を子供でも理解できる文章で書かれたものでした。

『スタンプクラブ』には、連載にしろ、巻頭特集にしろ根底にあったのは、こうした「高度な内容を易しく」であったはずですが、それがいつの間にか崩壊してしまっていたところに、衰退の原因の一つがあったのではないかと思います。

画像に示した終刊号(?)を見返すと、『スタンプクラブ』の読者層に入ると思われる若手の記事が多く目に付きます。
これだと製作費は安く済むとは思いますが、内容としてはどうなのでしょう???
こうした記事を、当時の読者が求めていたとは、現実に読者であった自分としては全く思いません。

今でも、初代『スタンプマガジン』や『スタンプクラブ』と言うと、「あー、子供向けの雑誌でしたね」と思われる方が多く、内容も子供向けと誤解している方が多くいらっしゃいます。
しかし、『スタンプクラブ』の本質はそこにあったのではなく、「高度な内容を(子供にでも理解できるように)易しく伝える」ことにあったのです。

あれから40年。
『スタンプクラブ』の失敗から学ぶべきところは、多くあると思いますが・・・。

あれから40年・・・」への8件のフィードバック

  1. 直近20年の「郵趣」を見ると、「スタンプクラブ」の失敗からはなに一つ学んでいないとしか言いようがありません。
    「郵趣」を立て直そうという意思が、今のJPSからは微塵も感じられないのです。もってあと数年ではないでしょうか。

    1. いつも、ありがとうございます。
      ここのところ『郵趣』の巻頭特集で、多少は郵趣雑誌らしい記事が見られるようになってきました。
      ですが、早速一部の読者から「あんなものは、難しくてわからん」という趣旨の話が出てきているとか。
      あれ以上にレベルを落とすなら、ついでに看板も下ろすべきだと思いますが。

  2. 確かに執筆が若手(現在も活躍されていますが)中心となり、かつ、アメリカ切手のウエイトが高くなりすぎの感があり、なんとなく読み応えはなくなった記憶がありました。

    1. いつも、ありがとうございます。
      そうですね。
      最後の頃は、かつてのライバル誌であった『少年切手マガジン』並のつまらなさになってしまったかと。

  3. おそらく赤字で、学生に頼んで経費を安くしようとしていたのでしょう。84年頃からそれが顕著になります。
    いまじゃ通販雑誌のスタンプクラブの方が高いのです。
    それにしても、衣替えでまったく別内容の雑誌になってしまい、それまでの少年の5人組のクラブは意味をなさなくなりました。引き止める方法はなかったのかと。

    1. いつも、ありがとうございます。
      そう言えば、僕の周囲にかつて読者クラブを作っていた人がいるかな?
      色々な郵趣家と会って飲み食いしますが、その話しは話題になったことがありません。
      郵趣史として、なかなか面白いテーマではあると思いますね。

  4. 機械印の話で出てきた水野氏は水野虎杖氏(ペンネーム?)ではありませんか?
    彼はコピーがあまり簡単にできなかった時代の植物学者で、植物のスケッチの技術を消印の印影の再現に使った方だと思います。懐かしいお名前です。

    1. ご覧くださいまして、ありがとうございます。
      水野氏は、おっしゃるとおり元は「虎杖」を使っておられましたが、お住まいを水戸に変えられたのを機に「古條」に変えられたそうです。

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