やっと木々が色づいて秋らしくなったので、グレナダ・グレナディーンが1997年に発行した江戸の紅葉を描いた切手をご紹介。
と、いきたいところですが・・・「切手」とは名ばかりの切手です。
その辺は、ご勘弁下さい。
描かれているのは、現在の墨田区向島に所在する秋葉神社秋の風景で、場所は下の地図をご覧ください。
赤の三画矢印がその場所で、東武鉄道の曳舟駅から7〜8分程度、京成曳舟駅から10分程度のバリバリの下町風景の中に今もあります。
比較のために、江戸時代の切絵図を下に載せておきます。
赤の▲印が秋葉神社で、周辺の寺(長命寺、弘福寺、正圓寺)も場所が動いていないので、位置関係がよくわかると思います。
当たり前ですが、切絵図は正縮尺ではないので歪んでいます。
今は街中に窮屈な形でポツンとある秋葉神社ですが、江戸時代には敷地が広く(切絵図では黄色に塗られた敷地)築山や泉水が築かれ、四季折々の花が咲き、秋には紅葉に染まり、『江戸名所図会』には秋の情景が褒め称えられています。
江戸の観光名所でもあった秋葉神社の周辺には、大小様々な飲食店が建ち並び、切絵図にも記されている料理屋大七(切絵図では秋葉神社の左隣の敷地)は鯉の洗いの有名店であったそうです。
また、大七の左隣りの武蔵屋も鯉料理専門店として有名でした。
1枚の切手から、様々な風景画見えて来ます。